EVは、どのように使えば排出削減に効果的なのか?

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近年、その市場シェアを広げているEV。そんなEVで温暖化ガスの排出量を効率的に減らすには、どのように使うと効果的かご存じか。

EVバッテリーで自宅を電力効率化

EVを電力需給の調節に活用する方法の例(画像:櫻井啓一郎)
EVを電力需給の調節に活用する方法の例(画像:櫻井啓一郎)

 充電器と一口に言ってもさまざまだが、特に住宅や職場など、長時間駐車するところに置く普通充電器が大事である。200Vのコンセントひとつでも有効だ。

 例えば、自家用乗用車の4割は一日中使われなかったりするので、夜間でなく昼間に充電する。あるいは職場の駐車場に普通充電器を置いて、通勤手当の代わりに充電してもらう手もある。

 Vehicle-to-home(V2H)と呼ばれる技術を使えば、昼間にEVに充電した電力を夕方に自宅で使える。夜中になってまた電力料金が安くなったら、自動的に充電を始める。こうすると、EVのバッテリー容量を目いっぱい活用して、余って安い電力を電力料金が高い時間帯に利用できる。

 今のところ、V2Hの設備は導入に100万円以上かかることも珍しくない。しかし今後はV2Hの機能がEVに搭載されて、もっと安く使えるようになるかもしれない。

 毎日の平均的な走行距離ではバッテリーの一部しか使わないため、バッテリー容量の余力をうまく使えば、電力供給の調節に貢献したり、電力料金を全体的に抑えたりできると見られる。再エネを有効活用して、排出量も削減できる。

 このようにEVは電力全体の低排出化に貢献できる。逆に電力が低排出になると、それを使って走るEVもまた、より低排出に走れるようになる。

・電力の低排出化
・EVの普及

は、セットで進めるのがお得である。

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