日産「リーフ」米EV優遇対象外も、感情的反発はナンセンス! 米国はなぜ自国優遇策を導入したのか まず熟考すべきだ
「メイドインアメリカ条項」という難敵

ここからはもう少し深掘りする。IRA法におけるエネルギー資源対策である。
EVにしろPHVにしろ、その製造にバッテリー材料の安定確保は必須である。しかし現状では、世界のバッテリー資源と製造は
「中国が席巻」
している。仮にバッテリーに関するエネルギー危機が顕在化すれば、中国とその他の地域間での資源争奪戦にもなりかねない。
そこで米国政府は米国内でのバッテリー製造と関連する部品製造を強化促進するためIRA法にある条文を盛り込んだ。それがいわゆる「メイドインアメリカ条項」である。
その内容は4項目あるのだが、重要なのはその中の3項目だ。すなわち
・車輌(しゃりょう)の最終組み立てが米国、カナダ、メキシコのいずれかで行われていること
・使用する電池材料の調達価格の40%が米国と自由貿易協定(FTA)を結んでいる国で採掘/精製されていること。もしくは米国、カナダ、メキシコでリサイクルされたものであること
・電池に関連する部品の50%が米国、カナダ、メキシコで製造されていること
である。
最大100万円の所得税控除

冒頭に挙げた優遇税制とは、これらの条件のなかで2番目と3番目に挙げた電池に関する条件をクリアした場合のみ、それぞれ最大3750ドル。両者を併せて
「最大7500ドル(約100万円)」
の所得税控除を新車購入時に認めるというものである。
こうした所得税控除は、これまで生産国に関係無く全てのEVとPHVで認められていたのだが、今回から上記のより厳しい条件が課せられることとなった。その結果として、条件をクリアできなかったモデルが所得税控除対象から外されたということである。
この問題に対して、2022年8月に法律が制定された時点でドイツや韓国のメーカーなどからは再考を促す旨の要望が出された。これは内容が過酷かつ急であったことが理由である。
続いて、それぞれの政府による2国間協議の場を設ける旨の要請も出されたが、具体的な結果は残せなかったと言われている。