空の新サービス続々! ドローンの新潮流 機体だけじゃ売れぬ ソニー・ヤマハも強み活かす
今後の市場を牽引する「サービス」が続々

筆者は第1回の「Japan Drone 2015」を取材している。そのときは、自社のモバイル通信システムを活用して目視外(操縦者の目が届かない範囲)の自律飛行を可能とするドローン管制/運航管理システムの開発を進めているKDDIをはじめ、ドローンが空撮したデータをAI(人工知能)を用いて自動解析するサービスや、ドローンの飛行精度を向上させる高精度測位サービス「ichimili」などの各種サービスを展開しているソフトバンクのような企業のブースに、来場者がより高い関心を寄せていたように筆者には感じられた。
現在は機体を製造する国内メーカーでも、大規模災害時にUAV(無人航空機)からクラウドに空撮した画像情報などをアップロードして、災害現場の情報を任意にダウンロードできる災害対処システムの開発を進めている。「Japan Drone 2021」では、そのシステムの中核的存在と位置付けられている最新型機「テラ・ドルフィン4300」を出展したテラ・ラボ(愛知県春日井市)や、SPACE ENTERTAINMENT LABORATORY(東京都大田区)が開発した、着水して海面や海中のデータを収集できる飛行艇型UAV「HAMADORI 3000」、また映像クリエイターから高い評価を受けているミラーレス一眼デジタルカメラ「α」シリーズの能力を最大限に引き出すことを目的に開発されたソニーの「AirpeakS1」などに、より高い関心が寄せられていた感がある。これらは、その存在がサービス市場を拡大していく可能性を秘めたUAVやドローンだ。
もうひとつ、風向きの変化を感じられた企業がヤマハ発動機だ。産業用無人ヘリコプターのトップメーカーである同社は、ガソリン・エンジンを動力とする無人ヘリコプターに比べてダウンウォッシュが小さく、水田に農薬を散布させる際に水稲の根本まで農薬を浸透させることが困難であるとの理由から、以前は電動ドローン市場への参入に否定的な見解を示していたが、「Japan Drone2021」では大きな注目を集めていたのだ。