お葬式最大の謎? 霊柩車に「ド派手な装飾」が乗っていた理由
遺体を運ぶ霊柩(きゅう)車が、一般貨物自動車運送事業であることは意外と知られていない。また自動車と神輿の山車(だし)がなぜ合体しているのか。
霊柩車は今後の改革にどう対応していくのか

「遺体は貨物ではない」
この大前提をもって遺体を自動車で搬送されるようになって久しい。長い時間をかけて自動車を受け入れ、霊きゅう自動車運送事業は遺族に寄り添いひとりひとりを送っている。
火葬場に行く前に、故人の思い出の場所を回る、さまざまな理由で葬儀に出席できない縁のある家の前を通るなど、人だからこそできる心遣いだろう。
しかし、昨今、環境対策や自動運転車が推奨されるなど、貨物自動車運送事業にも改革の波が押し寄せている。環境対策となれば、宮型自動車の素材にも考慮が必要となる。交通安全の観点からも、大きな屋根や飾りなどは制限の対象となるかもしれない。
自動運転車となると、思い出の場所を回るなどの心遣いは前もって予約が必要となるだろう。電気自動車となれば、災害時はもちろん電力ひっ迫の際には搬送が難しくなるケースも考えられる。
霊きゅう自動車運送事業が今後も貨物運送のくくりのなかで法改正が進められていくのか。ケガレ・ハレ・ケの境界が薄くなりつつある現代ではあるが、一度立ち止まって考えてみたい。
●参考文献
・井上章一「増補新版 霊柩車の誕生」(朝日新聞出版)