お葬式最大の謎? 霊柩車に「ド派手な装飾」が乗っていた理由

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遺体を運ぶ霊柩(きゅう)車が、一般貨物自動車運送事業であることは意外と知られていない。また自動車と神輿の山車(だし)がなぜ合体しているのか。

トラック運送と法律上の違いなし

自動車と神輿の山車(だし)が合体した宮型霊柩車(画像:写真AC)
自動車と神輿の山車(だし)が合体した宮型霊柩車(画像:写真AC)

 遺体を運ぶ霊柩(きゅう)車が、一般貨物自動車運送事業であることは意外と知られていない。亡くなった人、つまり遺体は、法律上「貨物」なのである。人々は、遺体を貨物とされることに抵抗はなかったのか。交通の進化につれ変わる葬礼の文化に折り合いをつけるように生まれた、宮型霊柩車に焦点を当てる。

 病院から遺体の自宅、自宅から葬儀会場、火葬場へと、遺体を運ぶ自動車を霊柩車という。最近は見かけないが(理由は後述)、昭和のころはよく神輿のようにデコラティブな霊柩車を見かけたものだ。

 この自動車と神輿の山車(だし)を合体させた霊柩車は

「宮型霊柩車」

という。霊柩車にはほかにも

・リムジン型霊柩車
・バン型霊柩車
・バス型霊柩車

があるが、長い間、霊柩車といえば宮型霊柩車であった。

 遺体を自動車で運ぶ事業を霊きゅう自動車運送事業といい、その自動車を霊柩車という。霊柩車は運送事業であり、法律上はトラック運送事業との違いはない。霊柩車運送は一般貨物自動車運送事業許可(いわゆる緑ナンバー許可)を受けて行う事業であり、遺体を貨物と定義しているのだ。

 もちろん、多くの一般人がそうであるように、霊きゅう運送業者も遺体を貨物とは思っていない。人の死と尊厳をもって、大切に遺体を搬送している。さまざまな遺族に接するため、セラピーやカウンセリングを学ぶ業者も多い。

 遺体を搬送する業者は「霊きゅう運送に限る」という条件が課せられ、遺体以外を運ぶ事業はできない。とはいえ、貨物とするには抵抗が大きい。では昔はどうだったのかと歴史をひもとくと、なかなかすごい葬礼の歴史が見ることができる。

 そう。霊柩車の歴史は道路交通の歴史とともに刻まれてきたのだ。

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