鉄道は即寸断! 豪雨の「橋梁被害」はなぜあんなにも厄介なのか

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近年、災害の被害が拡大している。台風や集中豪雨の度に鉄道が被害を受けるという場面も多くなってきた。こうした被害の増大に伴い、国土交通省では、国土強靭化という観点から対策を立てようとしている。

災害で寸断される鉄道

鉄道と橋梁(画像:写真AC)
鉄道と橋梁(画像:写真AC)

 近年、災害の被害が拡大している。台風や集中豪雨の度に鉄道が被害を受けるという場面も多くなってきた。

 こうした被害の増大に伴い、国土交通省では、国土強靭化という観点からも災害からの復旧をいち早く行うための対策を立てようとしている。

 国土交通省が注視しているのは、橋梁だ。2021年9月にJR河川橋梁対策検討会が開催され、河川橋梁の被害状況と今後の進め方についての議論が行われた。問題意識としては、鉄道施設の災害による被害は

「豪雨によるもの」

が大半を占めており、増加傾向にあるとして、近年の災害の頻発、激甚化への警戒を示している。

長い時間がかかる橋梁復旧

水郡線の第6久慈川橋梁復旧工事(画像:東鉄工業)
水郡線の第6久慈川橋梁復旧工事(画像:東鉄工業)

 その上で豪雨による橋梁被害に着目している。その理由は豪雨による

・害の大きさ
・復旧の長期化

だ。

 橋梁への被害、例えば、橋桁が流失してしまった場合には大体1年近い期間が必要となり、傾斜が発生してしまったりした場合であっても、1か月もしくは数か月の期間を要する。このように橋梁の復旧には時間がかかる。

 資料でも取り上げられているが、例えば、橋梁自体が流失してしまえば、1年近い期間を要する。水郡線の第6久慈川橋梁は復旧までに17か月を要している。これは運航再開までの期間であり、仮復旧による運行再開までの期間を含んでいる。

 事例として取り上げられているのは、他の路線で架け替えが予定されていた橋桁を転用したことによって早期の復旧が可能になった根室線の清水川橋梁を例外として、復旧までに

「8~17か月」

という長期の期間を必要としている。

 橋梁が傾斜した場合には数か月程度を要している。八高線の神流川橋梁の復旧には2か月、芸備線第2三條川橋梁も復旧までに2か月を要している。橋梁流失よりは短いものの、復旧には数か月を要している。一方、豪雨によって川岸や川床の土砂が流されてしまった場合(洗掘。せんくつ)には、復旧までにかかる日数は数日から1か月程度となっている。