鉄道は即寸断! 豪雨の「橋梁被害」はなぜあんなにも厄介なのか

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近年、災害の被害が拡大している。台風や集中豪雨の度に鉄道が被害を受けるという場面も多くなってきた。こうした被害の増大に伴い、国土交通省では、国土強靭化という観点から対策を立てようとしている。

橋梁はなぜ流失するのか

豪雨災害のイメージ(画像:写真AC)
豪雨災害のイメージ(画像:写真AC)

 この資料からは、橋梁の流失が最も復旧日数を要するということがわかる。しかし、問題は

「橋桁の流失が増加している」

ということだ。国土交通省では1934(昭和9)年から2019年までの被災河川橋梁の調査を行い、その特徴を明らかにしている。

 まず、被災した橋梁のほとんどは1945年以前に建設された古いものであること、洗掘被害が発生した橋梁の約8割は直接基礎形式、つまり川床に橋脚を置いたものであり、川床に埋め込んだり、固定したりしていないものであること、橋梁の被災種別の6割が基礎周りの洗掘で、残りの4割も洗掘の進展により、橋脚の傾斜・倒壊に至ったものが多いこと、つまり、被災に至った要因の4割は豪雨によって流水位置の変化、3割が河流の集中によるものと推定されている。国土交通省の資料から導き出される結論は、直接基礎形式の橋梁は豪雨災害の被害を受けやすいということだ。

 それでは、被害を受けやすい橋梁は日本全国にどのくらいあるのだろうか。国土交通省がJR各社に対して、河川橋梁の緊急調査を依頼し、緊急調査の必要性のある472か所について調査を行ったところ、次のような結果が出た。

 緊急に措置を必要とするというAAに分類される橋梁はなかったものの、

・A判定(今後正常運行確保を脅かす恐れのあるもの):53か所
・B判定(A判定になる恐れのある変状があるもの):134か所
・C判定(軽微な変状があるもの):55か所

となっている。ちなみに健全なもの(S判定)は230か所となっている。

 国土交通省としては、今後A判定の53か所については、すべてを監視対象とし、補修・補強が適当と判断された28か所については対策の実施時期を可能な限り前倒しし、2023年度の出水期(2023年6月)までに完了するとしている。

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