広島県の豪雪地帯になぜかポツンと「自転車の町」があるワケ
通勤・通学に自転車のみを利用する人の増加率で全国一の自治体が、広島県の山間部にある。豪雪地帯なのに自転車利用が増えているのはなぜなのか。
工場進出が契機
北広島町役場によれば、自転車の利用者が増えた理由を「車部品関連の企業の集積が加速し、従業員の自転車利用が増えたもの」と考えているという。山間部に位置する北広島町だが、現在の町域の南東部に位置する旧千代田町には中国自動車道千代田インターチェンジがあり、平たんな土地が確保できることから工業団地が建設されている。
現在、高速道路沿いには6つの工業団地が整備されているが、中でも自転車利用者を増やしたのは、県営千代田工業・流通団地。この工業団地は1997年の分譲開始から長らく空き区画が残っていたものの、広島県が価格を引き下げて販売促進を図ったことで、進出する企業が相次いだ。中でも、自動車部品を製造する広島アルミニウム工業が2015年に団地内の最大区画を購入し、進出したことは町内でも大きく注目された。
ここで車用鋳物部品製造を開始した同社だが、2019年に、将来的にガソリン車がハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)に転換することを見越して新棟を建設している。もともとエンジンや変速機の部品を得意としてきたが、ガソリン車からの転換後に需要の期待される足回り部品やバッテリーケースなどを製造するためだ。
広島県を代表する企業であるマツダに供給する部品を製造している同社の工場拡張により、増加した従業員が通勤に自転車を使っているというのが、北広島町で自転車利用者が増えている理由だ。