カートで坂道を一直線! 80年超の歴史を誇るカーレース「ソープボックスダービー」をご存じか

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無動力のカートで坂道を下り、タイムと順位を競う「ソープボックスダービー」の生い立ちを紹介する。

最もシンプルかつ基本のレース

アメリカのノースカロライナ州にあるメモリーレーンミュージアムで保存展示されている1950年代から1960年代に掛けて実際に使われたレースカーの数々(画像:浅野良)
アメリカのノースカロライナ州にあるメモリーレーンミュージアムで保存展示されている1950年代から1960年代に掛けて実際に使われたレースカーの数々(画像:浅野良)

 2022年10月22日、大阪府吹田市の万博記念公園において「RED BULL BOX CART RACE 2022 OSAKA」が開催された。このレースは、エンジンやモーターなどの動力を持たない自作のカートで坂道を下り、そのスピードとカートそのもののデザインを競うという楽しいイベントであり、レッドブル主催のものは2000年から世界中で開催されている人気イベントでもある。わが国では2009年に最初の大会が開催され、その後は2012年、2017年、2019年に開催され、いずれも大盛況に終わった。

 ちなみに、こうした無動力のカートで坂道を下ってそのタイムと順位を競うという競技には、主としてアメリカで開催されている「SOAP BOX DERBY(ソープボックスダービー/せっけん箱レース)というルーツがあり、そちらは第1回ナショナルチャンピオン大会の開催が1934年という非常に長い歴史を持っている存在である。今回はそんなソープボックスダービーの生い立ちについて話をしたい。

 アメリカには、アマチュア向けから高度に集約されたプロフェッショナル向けまで、実に多くのモータースポーツカテゴリーが存在している。そうした中で、最もシンプルかつ基本と言われているのが「ソープボックスダービー」であり、レッドブル・ボックス・カートレースがこれを参考にして企画されたことは間違いない。

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