鉄道各社で相次ぐ「回数券廃止」 還元率も低空飛行 このご時世、文句をつけるのはもはやお門違いなのか

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回数券の廃止が相次いでいる。その背景には何があるのか。

廃止が生む「利用者負担」増加

駅の改札(画像:写真AC)
駅の改札(画像:写真AC)

 コロナ禍で収益が悪化した事業者は、収支改善に向けて割引サービスの全面的な見直しを行っている。そうしたなか、割引率も高い回数券が削減の対象となった。実際、この効果は大きく、2021年7月末で回数券の販売を終了した西日本鉄道は8か月間で

「約5000万円」

の増収効果があったと見込んでいる。

 もちろん、ICカードやネット予約が普及している現状を鑑みれば、回数券は近い将来に消滅していくものだっただろう。ただ、そのスピードがコロナ禍で急激になっているのだ。

 これによって顕著になっているのが、回数券の廃止で

・利用者負担が増える
・割高感が増す

といった現象だ。利用者の負担増は、コロナ禍以前から指摘されてきた。

 負担増が問題となったのは、2015年3月のダイヤ改正で常磐線特急の自由席で利用できる回数券が廃止されたときのことだ。JR東日本は、このダイヤ改正で特急の自由席を廃止し、全席指定とした。改正後の特急料金は、上野~水戸間で1550円となり、従来より指定席で310円安く、自由席より210円高い値段設定となった。

 JR東日本は並ばずに座れること、以前より料金が安いことを強調した。しかし、上野~水戸間を1回当たり720円で乗れる回数券(4枚つづり)を利用している乗客が多く、800円以上の値上げかつ、金券ショップでバラ売りも買えなくなると不満の声が多く出た(『東京新聞』2015年3月13日付朝刊)。

 さらに2019年のダイヤ改正では、中央線の「あずさ」「かいじ」でも同様の措置が行われ、「中央線料金回数券」「あずさ回数券」が廃止された。これにより、新宿~甲府を2880円で乗車できたものが3820円と、940円の大幅値上げとなった。

 当時、JR東日本はインターネット購入による割り引き導入をアナウンスしていたが、実際はどうなのか。2022年11月の新宿~甲府間の料金(乗車券 + 指定席特急券)は次のとおりだ。

●通常料金:3890円
・チケットレス割引:3790円
・トクだ値10%OFF:3490円(座席数限定で出発時間まで購入可能だが当日分は売り切れている場合が多い)
・トクだ値30%OFF:2710円(座席数限定。購入は13日前まで)

 回数券廃止以前は、駅周辺の金券ショップで回数券を購入してから任意の時間の列車を指定することができていた。これを考えれば、利便性は格段に下がっている。また、切符を発券しないといけないタイプとチケットレスが混在しているのもややこしい。

 先日、筆者(昼間たかし、ルポライター)はあずさにチケットレス割引を使って乗車し、新宿~松本間を往復したが、一度購入すれば、後からスマートフォンを使って列車や座席を変更できるのは便利だ。それを差し引いても、大幅な値上げへの不満は拭えない。同様の割高感は新幹線でも起きている。

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