ロシア回避で注目される「中東便」 乗り継ぎ時間を活用した豪華サービスをご存じか
ウクライナ情勢で南回りルート増加
ロシアによるウクライナ侵攻は、世界のあらゆる分野に多大な影響を及ぼしている。航空業界では、ロシア上空の飛行ができなくなったことが大きい。日本を含む東アジア諸国とヨーロッパは、ロシア上空を飛行するのが最短ルートだったからだ。
2022年3月以降、航空各社はロシア上空を避けたルートで、
・北極圏を通過する「北回り」
・ロシア国境の南方を通る「南回り」
という旅客便の運航を続けている。
日本発着便の場合、多くは南回りルートが多いが、風向きや行き先などによって北回りルートを選ぶ航空会社も。直行便で15時間を超えるフライトもある。
日本発着の南回りルートは、ウクライナ侵攻の以前から運航されてきた。エミレーツ航空やカタール航空、ターキッシュエアラインズなど、主に中東諸国を拠点とする、いわゆる「中東便」である。
以前は、ロシア上空を飛行する日本~ヨーロッパ間の直行便よりも所要時間がかかるというイメージだった。しかし今、中東便が
「日本からヨーロッパに最も近くて便利」
と再び脚光を浴びている。
航空会社も空港もランキング上位
日本から中東系航空会社を利用する場合、例えば、エミレーツ航空だとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ国際空港、カタール航空だとドーハのハマド国際空港に着く。その後、ヨーロッパやアフリカ諸国などに再び飛ぶ。
乗り継ぎ便となるため、直行便よりも時間はかかる。だが、日本発着のフライトが10時間ほどであり、「一度降機するほうが身体的にラク」という声が以前から少なからずあった。
なにより、直行便と比べ、乗り継ぎ便は航空券が安い。そのため、旅行会社が催行するヨーロッパの格安ツアーで利用されることも多かった。立地的にアジアだけでなく、オセアニア、アフリカ、旧ソ連諸国などの拠点空港となった。
しかも、オイルマネーを背に資金が豊富な国々のエアラインである。使用される飛行機は新しく、サービスも秀逸だ。航空会社の格付けランキングでは毎回、上位にランクインしている。搭乗した際に実感する満足度は、非常に高い。