タクシーはそもそも「公共交通機関」なのか? 乗客とドライバーに漂う微妙な空気、15年ぶりの運賃値上げで考える
物価高に痛い「ワンメーター」

タクシーをあまり利用しない人は知らないかもしれないが、タクシーは
「時間距離併用制」
を採用している。
時間距離併用制とは、交通混雑などの影響で走行速度が一定限度(10km以下)より遅くなると、時間で運賃が上がるシステムだ。つまり、渋滞や待機など、車両が動いていないときでも運賃が加算されるのである。
それが、これまでは1分25秒ごとに80円加算だったが、今回1分35秒ごとに100円となった。ちなみに昔は、走行距離だけで計算されていたが、道路の渋滞が日常化したため、このシステムが採用されたという経緯がある。
タクシーが目的地に止まる直前、メーターが「カチッ」と上がった経験のある人は多いだろう。つい損をした気分になるが、ドライバーにとっても気まずい瞬間だ。上がった運賃を払うかどうかで、やり取りが行われることも度々ある。たかがワンメーターだが、世の中の物価が軒並み上がり、出費を控える人たちが増えるなか、20円の値上げは決して小さくない。ちなみに、高速道路の走行中は時間距離併用制がなく、走行距離のみによる。よって、高速道路の渋滞でメーターが上がることはない。
目的地に向かうルートの選択によって、運賃も変わる。道路は「生き物」であり、たとえ道がすいていたり、抜け道だったりしても、工事や事故などで渋滞することはよくある。どのルートを選択するか、運の要素もある。渋滞のとき、乗客は時間だけではなく料金メーターも気になりイライラし始める。ドライバーは乗客に怒られやしないかと、ハンドルを握る手が汗ばむ。
ただ、そのような状況を打破するようなシステムもある。「事前確定運賃」だ。事前確定運賃はその名のとおり、運賃があらかじめ決まっており、事前に指定されたルートを走行する。そのため、金額についてもルートについても、乗客とドライバー両者が納得したものとなる。この事前確定運賃なら、ストレスも軽減されるだろう。