ミサイルからの避難は「地下鉄駅」で? 東京都が避難施設に指定も、国からは「気密性困難」でダメ出しの過去

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東京都は9月30日、ミサイル飛来などを想定し、都民1400万人分の一時的な避難施設の確保を公表した。しかし本当に役立つのか。

「気密性が困難」政府もお墨付き

高田馬場駅(画像:写真AC)
高田馬場駅(画像:写真AC)

 また、東京都が指定した施設の欠点は、1~2時間程度の避難しか想定していないことだ。核攻撃を受けると、直接の爆風や熱線以外に、高濃度の放射能による汚染がおこる。そのため、核シェルターは内部の汚染拡大や汚染物質の侵入を防止する設備を持ち、数週間生存できる食糧も備えられている。

 今回指定されたいずれの施設にも、そのようなものはない。そもそも、既存の地下鉄駅のシェルター化は困難だ。政府は2017年、「弾道ミサイルを想定したシェルターのあり方に関する検討会」を行ったが、既存の地下鉄駅では核ミサイルや生物化学兵器に対応できる気密性が困難と判断されている。つまり、東京都の指定は

「もしかすると、生存確率が上がるかもしれない」

程度にすぎないのだ。

 もっとも、そこまで考えているかも疑わしい。地下鉄駅もさることながら、地上の公共施設の場合、爆風とともに飛散した窓ガラスが内部にいる人を襲うことは容易に想像できる。ある程度の世代は『NHK特集 世界の科学者は予見する・核戦争後の地球』(1984年度)で放送された、東京に核ミサイルが落下した際のシミュレーション映像(新宿の高層ビル群の窓ガラスが東京西部の広範囲に降り注ぐ)をよく覚えているはずだ。その程度の想定もしていないのなら、完全な

「やったつもり」

といっていいだろう。なにより、避難した人たちが生き延びられても、それで終わりではないことは明白だ。東京都はどこまで考えているのだろうか。施設を整備してやったつもりになるより、ミサイルを撃たれない方法を探ったほうがいいのではないか。

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