ミサイルからの避難は「地下鉄駅」で? 東京都が避難施設に指定も、国からは「気密性困難」でダメ出しの過去

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東京都は9月30日、ミサイル飛来などを想定し、都民1400万人分の一時的な避難施設の確保を公表した。しかし本当に役立つのか。

緊急一時避難施設に「24の地下駅舎」

永田町駅(画像:写真AC)
永田町駅(画像:写真AC)

 10月4日、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、日本列島は騒然となった。発射されたミサイルは、これまでで最長となる約4600kmを飛行し、午前7時28分から29分にかけて青森県上空を通過後、午前7時44分ごろ、日本の東およそ3200kmの排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したと見られている。

 この発射にともなって、各地では全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令された。これにより、JR北海道は安全確認のため一時運転を見合わせた。また、JR東日本も新幹線と在来線の全線で一時運転を見合わせ、東北新幹線では最大18分の遅れが生じた。

 今回のJアラート発令では、東京都の島しょ部も初めて対象となった。これを受け、東京都は午前10時から危機管理対策会議が開催され、発令の対象となった伊豆諸島、小笠原諸島の2町7村で被害が出ていないことの確認が行われた。

 折しも東京都は9月30日、ミサイル飛来などを想定し、都民1400万人分の一時的な避難施設の確保を公表したばかりだ。

 東京都が確保した避難施設は「国民保護法に基づく緊急一時避難施設の指定について」として、東京都のウェブサイトで公開されている。選定された施設は、

・地下駅舎:24施設
・公共施設:754施設

となっている。

 東京都の説明によれば、これらの避難施設は一時的(1~2時間程度)なもので、堅ろうな建築物や地下施設(地下街、地下駅舎、地下道等)が想定されている。つまり、いざミサイル攻撃を受けたとき、ここにいれば爆風などの直接被害を軽減できると期待されているわけだ。