運送業界の仕事はいまだに「FAX中心」 時代錯誤の価値観はなぜ令和の今でも続いているのか

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運送業界ではいまだに仕事が「紙ベース」を中心に回っている。デジタル化ができないのはなぜか。

デジタル化ができないワケ

FAXを使う会社員(画像:写真AC)
FAXを使う会社員(画像:写真AC)

 さて、荷主からの連絡はFAX中心と述べたが、なぜデジタル化ができないのだろうか。

「運送業はパソコンが使えないから」
「現場のITリテラシーが低いから」

と思われるかもしれないが、これは全く誤解だ。

 今どきの運送会社で、パソコンを使わずに仕事をしているような配車マンはほとんどいない。経営者にはそのような高齢の人もいるが、現場の管理者層ではまず見かけないと言って良い。

 運送業は荷主をえり好みすることは難しい。荷主には、上記のような手書きFAX中心のような荷主がいる一方、情報化が進んだ荷主もいる。この両方の荷主と付き合わなければならない運送業は、自然と情報化のレベルが上がらざるを得ないのだ。

 別の言い方をすれば、運送業は荷主の中の「最低レベル」に合わせることが必要であり、そのような情報化レベルの低い、一定割合の荷主がデジタル化のボトルネックになっているのだ。

全く進まない物流の情報化

農産物(画像:写真AC)
農産物(画像:写真AC)

 次の疑問は、荷主の情報化が進んでいないのはなぜか、ということだ。これを一言で言うと「情報化が物流の一歩前で止まっているから」である。

 地方運送業の主要貨物である農産物を例に説明しよう。農産物は通常、エリア単位の「単位農協」の集出荷センターに集荷される。そこで仕分けされ、梱包(こんぽう)されたうえで運送業に引き渡されるのだが、この時の連絡が、前述のとおりFAXや電話で行われることになるのだ。

 これは農協の情報化が遅れているから、と思われるかもしれないが、これは事実ではない。「どの市場に何ケース販売する」という商取引の情報は電子的にやり取りされているのだが、

「どの運送会社が何ケース運ぶ」

といった物流情報の管理だけが現場任せになっているのである(なお、県経済連などが集約しているような例外もある)。

 以上、農産物を例に説明したが、このような傾向は何も農産物に限った話ではなく、商取引の情報化が進む一方、物流情報化が実現できていない荷主が業種問わず非常に多いのだ。この理由は一言では語れないのだが、荷主は

「物流への関心が低く」
「物流情報化への投資意欲が低い」

ことが根本原因だ。

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