米国、「EV保護主義」鮮明に 巨大市場すら持たない日本はこれからどう戦うべきなのか?

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米国が保護主義へ動くなか、自動車市場で日本はいかに戦うべきか。

保護主義に向かう自動車産業

地球儀(画像:写真AC)
地球儀(画像:写真AC)

 ロシアのウクライナ侵攻によって、独裁国家の独善的な行動に対するリスクを、西側諸国はあらためて強く意識せざるを得なくなった。そのようなリスクをヘッジするために、エネルギー資源はもちろんのこと、産業のサプライチェーンからロシアや中国を外す動きが、世界中でこれまでになく高まっている。

 しかしEV産業においては、中国がサプライチェーンのなかで非常に大きな存在であるのが現状だ。米国がこれを大きなリスクファクターと捉え、リスクを排除するために保護主義的な政策を施行するのも、当然といえば当然だ。

 もとより世界を見回してみると、保護主義的な動きをしているのは米国だけではない。というか、自由貿易主義をのんきにうたっている国のほうが少ないくらいだ。

 中国はそもそも自動車産業全体を外資から保護する政策を続けてきた実態があるし、欧州はといえば、脱炭素という大義名分でオブラードに包んではいるが、ライフサイクルアセスメントという我田引水的なルールを決めてしまっている。

 今回米国が保護主義への動きを示したことで、世界的な動向が決まってしまったといったほうが実情に近い。

日本はどう戦うべきか

 ここまで見てくると、米国が保護主義へと動いたのは必然であったし、世界的な保護主義への移行が今後も続くのは間違いないだろう。

 そこで考えるべきは、日本はどう戦うかということだ。巨大市場を持たない日本は、当然ながら海外でクルマを売るしかない。しかし巨大市場である中国・米国・欧州は、いずれも保護主義で市場のドアを閉ざそうとしている。

 日本の自動車メーカーからすると、行く先に暗雲が立ち込めているような、息苦しい状況だろう。しかし座ってただ見ているわけにもいかない。不本意ながらも、この状況でやれることをやるしかないと腹をくくっていることだろう。これまでもそうやって苦境を乗り越えてきたように。

 しかし日本政府には明確なアクションが求められる。各国の政府が空中戦を繰り広げるなか、これを静観して見過ごすことは許されない。自由貿易主義の観点に立ち、あくまでもフェアなルールのなかで日本のメーカーが戦えるように、何かしらの風穴を開けることが必須だ。さもなければ、巨大市場のドアを閉じられたまま、日本のEV産業はますます息ができなくなっていくだろう。

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