米国、「EV保護主義」鮮明に 巨大市場すら持たない日本はこれからどう戦うべきなのか?

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米国が保護主義へ動くなか、自動車市場で日本はいかに戦うべきか。

控除対象となる具体的なモデル名の一覧

代替燃料データセンターのウェブサイト(画像:米国エネルギー省自動車技術局)
代替燃料データセンターのウェブサイト(画像:米国エネルギー省自動車技術局)

 米国エネルギー省は、税額控除の対象となるモデル名を具体的に発表し、ウェブサイトに掲載されている。次のリストは8月16日時点のものだが、見てわかる通り、米国のメーカーのモデルが多くを占めている。

 日系メーカーとしては、日産リーフがテネシー州で生産しているモデルの名前があるが、トヨタRAV4 Prime(PHEV)の名前はなく、また韓国メーカーのEVはひとつもない。

・2022年式アウディQ5
・2022年式BMW 330e
・2022年式BMW X5
・2022年式シボレー・ボルト EUV
・2022年式シボレー・ボルトEV
・2022年式クライスラー・パシフィカPHEV
・2022年式フォード エスケープ PHEV
・2022年式フォードFシリーズ
・2022年式フォード・マスタング MACH E
・2022年式フォード トランジット バン
・2022年式GMCハマーピックアップ
・2022年式GMCハマーSUV
・2022年式ジープ・グランドチェロキーPHEV
・2022年式ジープ・ラングラーPHEV
・2022年式リンカーン・アビエーターPHEV
・2022年式リンカーン・コルセア・プラグイン
・2022年式ルシッド・エアー
・2022年式日産リーフ
・2022年式リヴィアンEDV
・2022年式リヴィアンR1S
・2022年式リヴィアンR1T
・2022年式テスラ モデル3
・2022年式テスラモデルS
・2022年式テスラ モデルX
・2022年式テスラモデルY
・2022年式ボルボ S60
・2023年式BMW 330e
・2023年式ボルトEV
・2023年式キャデラック・リリック
・2023年式メルセデスEQS SUV
・2023年式日産リーフ

 このように国産車を優遇し、輸入車に関税をかけるかのような保護主義的な政策に対し、各国からも懸念の声が上がっている。

 欧州委員会の報道官は、このような税額控除について、WTO規則と相いれない可能性があるとコメントし、また韓国の産業通称資源部も、WTO規定違反の可能性について米国通商代表部に伝えたとされる。

EVサプライチェーンの中国からの脱却

 米国がこのような保護主義的な政策をとる背景には、EVサプライチェーンにおける中国の脅威がある。なぜかというと、この新法案には以下のような続きがあるからだ。

 2023年1月の時点では、最終組み立てを北米で行えばOKなのだが、2024年1月以降は、バッテリー部品やその鉱物を、“懸念のある外国企業”から調達しているEVも、対象外になるというルールがあるのだ。

 リチウムイオンバッテリーの主要な原材料であるリチウムは、精製ベースで中国が50%以上の世界シェアを持っており、“懸念のある外国企業”とは中国企業にほかならない。EVのサプライチェーンから中国を排除しようという狙いだ。

 さらには、2024年までに電池の原材料の40%以上を北米または米国の貿易相手国から調達することが減税の条件とされており、また2029年までには、電池の構成部品を100%北米で製造するという長期的なルールもある。

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