米国で台頭する「EV国粋主義」 それでも、やっぱり「エンジン車」は無くならないワケ

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BEVの現状を踏まえ、2050年でもエンジン車が残る理由を明らかにする。

EVの国粋主義が始まった

EV(画像:pixabay)
EV(画像:pixabay)

 バイデン大統領は8月16日、4300億ドル規模の「インフレ抑制法案」に署名した。11月8日の中間選挙を目前にした切り札だ。

 法案の気候変動対策に盛り込まれる電動化政策に関して、ロイター誌は「世界化は終わり、電気自動車(EV)の国粋主義が始まる」と評価した。なぜなら

「北米以外で生産されたEVは優遇税制の対象外」

となるからだ。ある意味、「バイ・アメリカンEV法」とも言えるだろう。

 現在、最大7500ドルの優遇税制を受けているEV(バッテリー電気自動車〈BEV〉+プラグインハイブリッド車〈PHEV〉+燃料電池自動車〈FCEV〉)全72モデル中、

・アウディ(ドイツ)
・ポルシェ(同)
・起亜自動車(韓国)

などの70%が優遇税制の対象外となる。テスラなどの米国生産車の一部もEVクレジットが上限に達しているため、対象外に。日本車は1982(昭和57)年のホンダ・オハイオ工場を皮切りに、日米自動車貿易摩擦の対応で次々と北米での現地生産に移行してきたため、対象となる。

 一方、北米生産化率の低いバッテリーも優遇税制の対象外だ。寧徳時代新能源科技(CATL)、比亜迪汽車(BYD)などの中国のバッテリー企業も米国生産を計画しているが、米国政府が承認するかどうか、現時点では不明だ。

 ということで、本稿ではBEVの現状を踏まえて、2050年でもエンジン車(PHEV、ハイブリッド車〈HEV〉、代替燃料自動車〈AFV〉)が残る理由を明らかにする。