豊洲市場でおなじみの「ターレ」 実は日本固有だった! でも生誕秘話は意外と知られず いったいなぜ?

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市場や工場、倉庫などの施設内での短距離商品輸送に使われている、ターレット式構内運搬自動車。日本固有のこの小型輸送トラックが誕生した歴史は、実のところ判然としない。

使い勝手で勝るモデルいまだ存在せず

かつての東京・築地市場(画像:写真AC)
かつての東京・築地市場(画像:写真AC)

 創業者直系の系譜は1986年で終了し、その後は経営母体が変わったものの、産業機械メーカーとしては近年まで活動を続けていたが、その中にオートトラックはすでになかった。オリジナルのオートトラックが製造されていたのは1960年代半ばまでと言われている。

 現時点での日本国内でのターレットトラックは、関東機械センターのマイテーカー、三菱ロジスネクストのエレトラックなどが販売されている。

 かつては富士重工もモートラックという名前のターレットトラックを販売していたが、新車販売からは撤退している一方で今でも現役車を見ることができる。もちろん朝霞製作所の元祖ターレットトラックも、まだまだ現役車が多数使われている。

 構造が単純で丈夫で長持ちで、まさに市場には欠かせない存在。排気ガスを嫌う現場では電動モデルも活躍しており、輸送機器としての存在価値は依然として高い。何よりも使い勝手という点で、このターレットトラックに勝るモデルはいまだ存在していない。

 一般人にとってマイナーであることは言うまでもない一方で、何よりも現場で高く評価され、長命を保っている産業機械の優等生というべき存在なのがターレットトラックなのである。

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