豊洲市場でおなじみの「ターレ」 実は日本固有だった! でも生誕秘話は意外と知られず いったいなぜ?
市場や工場、倉庫などの施設内での短距離商品輸送に使われている、ターレット式構内運搬自動車。日本固有のこの小型輸送トラックが誕生した歴史は、実のところ判然としない。
なぜ? 判然としないターレの歴史

これらターレットトラックは、現場ではターレやターレットなどと略称で呼ばれることも多く、作業現場ではことのほか親しまれている存在でもある。
なお「ターレットトラック」という文言は、ターレットトラックを最初に商品化したとされている朝霞製作所が所有する登録商標だったが、2012年に同社が破産整理されたことで商標登録は解除され、現在は商標ではない固有名詞に近い存在として扱われている。
ターレットトラックの詳細な歴史は、実のところ判然としない。
元祖とされている前述の朝霞製作所の企業案内でも、最初に商品化されたのはいつだったのかは明確にはされていなかった。
個人的にターレットトラックの実車を最初に見たのは、昭和40年代の国鉄駅の貨物ホームである。
他に映画やTVなどで築地市場が映る際は、たとえそれが昭和30年代の作品でも頻繁に見切れていたことを思うと、昭和30年代にはすでに相当数が普及していたことは間違いない。
それではターレットトラックのようなある意味個性の塊のような産業機械が、わが日本で誕生するきっかけとなったのは一体何だったのだろうか?
この件について筆者には持論がある。