日本の物流企業は欧米の100倍優秀! 誤出荷はわずか「1万分の1」、しかしこれが物流崩壊を招く原因だった

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私たちはeコマースの「送料無料」を当たり前の存在と思っているが、現実はそうではない。実のところ、送料無料は「まやかし」にすぎないのだ。

問題の本質はどこだ

置き配(画像:写真AC)
置き配(画像:写真AC)

 もちろん、物流品質が高いこと自体を問題視するわけではない。この高品質を実現するために、

・多大な手間と時間をかけていること
・運送コストを高める要因になっていること
・商品価格に転嫁されていること

が理解されぬまま、「高品質・高コストな運送サービス」がスタンダードになっているところに問題の本質があるのだ。

 商品を購入する側の企業からしても、欧米並みの誤出荷率・遅配率を許容すれば、商品価格がどの程度下がるのかがわかれば、物流品質に対する要求を改めるかもしれない。つまるところ、物流品質と送料、商品価格との関係が「見える化」されれば、この問題の解決を図れるのだ。

 例えば、ECにしても、

・翌々日以降の配達
・配達日時の指定不可
・置き配での受け取り

といった条件を満たすと送料が3割引きになるといわれれば、利用する人がいるのではないか。

「低品質・低コストな運送サービス」の可能性

LCCのイメージ(画像:写真AC)
LCCのイメージ(画像:写真AC)

 ピーチ・アビエーションをはじめとする格安航空会社(LCC)は、機内食や飲料の無償提供をやめたり、手荷物の預かりを有料化したりする代わりに、運賃を安くすることで市民権を得た。QBハウスに代表されるヘアカット専門店は、シャンプーや顔剃りなどを行わないことで低価格・短時間を実現し、現在では日本中の至るところに店舗がある。セルフ式のガソリンスタンドや格安スマートフォンなども従来と比べてサービスの範囲・機能を限定することにより普及した。

 何もすべての運送サービスの品質を落とす必要はない。「高品質・高コストな運送サービス」と「低品質・低コストな運送サービス」を選べるようにすればよいのだ。

 そう考えると、今の運送サービスは、かつてのエアライン、理容・美容室、ガソリンスタンド、スマートフォンのように、選択肢の幅が狭い業界といえるのかもしれない。

 サービスの範囲・機能を限定した低品質・低コストな運送サービスを提供すれば、LCCやヘアカット専門店のように、新たな市場を切り開けるのではないか。運送コストの上昇により数多くの商品が値上げされている今こそ、その千載一遇の好機といえるはずだ。

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