「GoToトラベル」再開&延期はもうウンザリ! 現場を襲う「キャンセルの嵐」、政府は旅行業界を救う気が本当にあるのか

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新型コロナウイルスの感染拡大でダメージを受けた旅行業界を支援するために立ち上げられた「GoToトラベル」。しかし一時停止でキャンセルが相次ぎ、業界は疲弊している。

振り回され続ける旅行業界

横浜・中華街と人混み(画像:写真AC)
横浜・中華街と人混み(画像:写真AC)

 旅行者にとって、もはやどちらでもよいだろう。いまだGoToトラベル再開の声が大きいのは、旅行代金の割引を待ち望んでいるにほかならない。筆者(シカマアキ、旅行ジャーナリスト)もGoToトラベルなどを何度か使ったが、どれも信じられないほどお得だった。

 しかし、旅行業界の現場は大変だ。

 例えば、GoToトラベルの場合、筆者は当初、宿泊先のチェックイン時に書類をもらい、それをウェブ上から助成申請した。ホテル側も詳細をわかっておらず、戸惑っている様子がうかがえた。

 そして、8月の宿泊分が振り込まれたのが12月。筆者は1名2泊分なので大した金額ではなかったが、家族分かつ何泊もしていると助成金額も大きい。旅行会社やホテルなどへの苦情もさぞ多かったのではないだろうか。

 また、2020年の年末にGoToトラベルの一時停止が決まったのが12月14日夜だった。直後に年末年始があり、宿泊施設や旅行会社への予約キャンセルが相次いだ。当時、大きく報道された。

 その後も感染が落ち着き出すと同時に、GoToトラベル再開が何度も取り沙汰されてきた。割引を見込んで先に予約し、再開しないとわかるとキャンセルする人が今も少なからずいる。予約済みで再開された場合は「あとから割引」で適用になるためだ。

 しかも、県民割とのダブル適用が可能なことも。「取りあえずキャンセル無料のプランで予約」という行為ができることも、旅行業界の現場を混乱させている。スタッフが多い大手旅行会社はともかく、中小零細企業の旅行会社も多い。現場でその都度で対応に追われるスタッフの心労は計り知れないものがある。

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