バス・トラック業界の給与が低すぎる! 働けど上がらぬ「無限ループ」、もはや副業解禁しかないのか
4月の毎月勤労統計調査結果確報によると、実質賃金は前年同月比でマイナス1.7%だった。現金給与総額は1.3%増加していたものの、それ以上に消費者物価指数が伸びたことが影響して、実質賃金はマイナスとなっている。
全産業給与の平均は月額「30万7400円」

厚生労働省が発表した2022年4月の毎月勤労統計調査結果確報によると、実質賃金は前年同月比でマイナス1.7%だった。現金給与総額は1.3%増加していたものの、それ以上に消費者物価指数が伸びたことが影響して、実質賃金はマイナスとなっている。
物価高の傾向に終わりの気配が見えないことを考えると、それ以上に給与が伸びていかないと生活はどんどん圧迫されていくことになる。一方で、働き手の給与水準は一律ではない。正社員や非正規などと呼ばれる雇用形態の違いや地域、職種などによって様相は全く異なる。
水準の格差は産業間にも存在している。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、企業規模10人以上の所定内給与額における全産業の平均は月額で
「30万7400円」
だ。
実質賃金がマイナスとなるなか、平均値を下回る産業に従事する働き手の生活は、より厳しい状況に置かれてしまうことになる。そのひとつが運輸業だ。さらに、運輸業のなかでも業態によって状況は全く異なる。
運輸業のなかに生じた格差

運輸業に分類される業態のなかから、賃金構造基本調査の集計データに沿って
・鉄道業
・道路旅客運送業
・道路貨物運送業
・水運業
・航空運輸業
について比較した表だ。
運輸業とひとくくりにすると埋もれてしまうが、タクシーやバス、トラックなどの道路旅客運送業、道路貨物運送業以外の業態については、むしろ全産業平均を上回っている。航空運輸業に至っては、全産業平均より10万円以上、年収換算すると120万以上も高い水準だ。
つまり、運輸業でも厳しい状況に置かれているのは、
・タクシー
・バス
・トラック運送
といった、道路を使う旅客・貨物運送業の働き手ということになる。