なぜJR常磐線の沿線自治体が「TX延伸」を求めるのか? 開業目標は45年! つくば市不在で進む延伸構想の行方とは
事業費1320億円、費用便益比1.60と弾くつくばエクスプレス(TX)土浦延伸構想。過去最高益(純利益81億円)を誇り、人口増を牽引するTXのブランド力にあやかろうと県南6市町が結集した。だが、4163億円の巨額債務を抱える事業者側の現実を置き去りに、自治体主導の思惑ばかりが先行している。
県南6市町が結集するTX土浦延伸

茨城県南の6市町(土浦市、石岡市、牛久市、かすみがうら市、小美玉市、阿見町)は2026年8月17日、つくばエクスプレス(TX)の土浦延伸に向け、「TX土浦延伸期成同盟会」の設立総会を土浦市内で開いた。地元紙などを中心に各メディアが報じた。
各メディアの報道によると、総会では「延伸の実現は、交流人口の拡大や産業の活性化、大規模災害時の代替輸送路確保など、首都圏全体の発展に資する極めて重要な事業」などとする設立趣意書が読み上げられた。今後は、国への陳情などを進めていくとしている。
茨城県では、TXの同県内での延伸について、2023年6月に
「延伸方面は土浦方面、JR常磐線と接続する駅は土浦駅」
とし、延伸構想の具体化に向けた検討を進めることを決めている。計画区間はつくば~新土浦間で、計画延長は約10km、所要時間は約9分。開業目標は2045年としている。同県内での延伸については、それまで土浦延伸案のほかにも、
・筑波山延伸案
・水戸延伸案
・茨城空港延伸案
があった。それぞれ関連自治体が独自に活動を行っていたが、同県が土浦延伸案に一本化した形だ。
また同県は、2025年2月に土浦延伸の事業計画素案を発表している。同素案では、概算事業費を約1320億円とした。需要の見込みを新たなモデル(応用都市経済モデル)で見直した結果、費用便益比(B/C)は従来の四段階推計法による0.83から1.60に上方修正された。採算性についても、43年で黒字に転じるとしている。なお、中間駅についても、従来案の2駅から1駅に減らした。
今回の6市町による期成同盟会の設立は、同県の方針に沿ったものだ。土浦延伸に加え、反対方向の秋葉原~東京延伸計画とも連動し、土浦から先の茨城空港方面への延伸も視野に入れている。