親子で空港争奪戦?「2800億円」の新線計画が突きつける、老舗アクセスの生存条件

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東京モノレールは、2026年6月に浜松町駅新駅舎の一部供用を始め、「東京パノラマライン」や体験型施策でブランド強化を進める一方、JR東日本は2031年度開業予定の羽田空港アクセス線を整備し、競争環境は大きく変わりつつある。空港利用9,143万人という拡大市場の中で、両路線の役割はどう変わるのか。

新路線との競合と共存の道

羽田空港第3ターミナル駅付近(画像:東京モノレール)
羽田空港第3ターミナル駅付近(画像:東京モノレール)

 しかし、その親会社であるJR東日本は、一見すると東京モノレールの役割に影響を与えかねない計画を進めている。貨物線など既存の鉄道資産を一部活用し、新たな線路も加えて田町と羽田空港を結ぶ「羽田空港アクセス線(仮称)」東山手ルートの整備である。総工費は約2800億円で、2023年6月に着工しており、2031年度の開業を目指している。

 この路線が開業すれば、東京駅と羽田空港は18分で結ばれることになるうえ、宇都宮線、高崎線、常磐線方面からも羽田空港への直通が可能になる。東京モノレールにとっては、京急空港線以上に競合性の高い路線になることは確実だ。

 親会社と子会社の間で利用者の食い合いは起きないのか。

 この点について乗りものニュースは4月4日、JR東日本の発表として次の内容を報じている。東京モノレールについては、空港以外の沿線通勤需要に加え、浜松町駅周辺の再開発や羽田空港周辺での利用増も見込まれており、地域に根ざした交通機関として今後も重要な役割を担うとしている。両者は互いに補い合いながら空港アクセス輸送を続ける方針だという。

 国土交通省が1月28日に発表した羽田空港の2025年の旅客数(速報値)は、前年比6.7%増の約9143万人となり、初めて9000万人を超えた。現状では発着枠がおよそ49万回の上限に達しており、運航を増やしたくても増やせない状況にある。ただし5本目となるE滑走路の計画も進んでおり、将来的には旅客数がさらに増えるとの見方も出ている。

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