「年間240時間」をドブに捨てていないか? 車通勤で“勝ち組”になる人・ならない人、気づかぬうちに広がる“静かな格差”の背景とは

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往復約1時間、年間240時間に及ぶ通勤時間は「損失」なのか。音声メディアの普及で、車内は学びの場へと変わりつつある。ストリーミング利用は20代で53.7%に達し、移動は人的資本を磨く時間へ再定義され始めた。

効率的な自己啓発を実現する能動的な学習法

Amazonが提供する12万以上の作品が聴き放題の定額制オーディオブックサービス「Audible(オーディブル)」(画像:Amazon)
Amazonが提供する12万以上の作品が聴き放題の定額制オーディオブックサービス「Audible(オーディブル)」(画像:Amazon)

 実際のところ、ポッドキャストやオーディオブック、あるいはYouTubeの音声を使いこなすビジネスパーソンは増えている。とりわけ語学の習得を目指すなら、聞こえてくる音を追いかけて発音する「シャドーイング」は外せない。

 大切なのは、流れてくる情報を聞き流すのではなく、重要な言葉を口に出したり、内容に心の中で反応したりする能動的な向き合い方だろう。職場に着いたあと、少しだけ時間を取って要点を振り返る習慣を添えれば、知識の定着度はぐっと深まる。

 オンライン予備校を運営するアガルート(東京都新宿区)がまとめたデータを見ると、資格取得に向けた学習時間の目安は、賃貸不動産経営管理士で約100時間、介護福祉士では約250時間という数字が並ぶ。年間240時間にのぼる通勤時間は、こうしたハードルの高い目標を十分に射程に捉える分量だ。

 車両の購入費という持ち出しに対して、そこで磨かれるスキルというリターンを天秤にかければ、移動中の車内は効率の良い自己啓発の現場に様変わりする。近い将来、道の混み具合に応じて流れる内容を自動で切り替えるような機能が当たり前になれば、この時間の価値はさらに高まっていくだろう。

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