フードデリバリー配達員に広がる「青切符」の衝撃――「もうスマホは見られない」 1.2万円に震える現場と、可視化される“安全コスト”

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2026年の改正道交法で自転車に青切符制度が導入され、113の違反行為に最大1万2000円の反則金が設定。デリバリーやシェアサイクルの収益構造と安全コストを直撃し、世論は62%が妥当と評価。移動産業の前提が揺らぐ。

交通違反の「金銭化」と新たな規律形成

警察庁「自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】令和7年9月」から政府広報室作成(画像:政府広報)
警察庁「自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】令和7年9月」から政府広報室作成(画像:政府広報)

 これまでの制度では、自転車の交通違反は刑事罰が基本であり、重大な事故を除けば取り締まられるケースは決して多くなかった。しかしコロナ禍後の普及にともない、歩行者との接触や事故全体に占める自転車の割合は増加している。こうした交通秩序の乱れに対する厳しい視線が、違反を支払うべき支出へと変えた。

 新制度は16歳以上が対象で、113種類の違反行為に具体的金額が設定された。「ながらスマホ」は1万2000円。遮断機が下りた踏切への立ち入りは7000円。信号無視や逆走、歩道通行は6000円だ。さらに一時不停止などは5000円、ふたり乗りや並進は3000円と、違反の内容に応じて細かく定められた。

 反則金は利用者の行動に直接的な経済の重みを与える。これまで黙認されてきたリスクを自ら背負う環境が整い、日々の移動が個人の収支を左右する。社会が肩代わりしてきた損害を利用者の持ち出しへと強制的に移していく流れが、一気に加速している。

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