かつては「印刷と町工場の街」――大阪駅至近のエリアが、ファミリー賃貸「41位→1位」に躍り出たワケ

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大阪の賃貸市場で異変が起きた。ファミリー向けで福島駅が前年41位から1位へ急伸、総合も14位から4位に浮上した。大阪駅まで約2分という近接性に加え、人口8万3678人・密度1万7918人/平方キロメートルの集積、再開発の進展が検索需要を一気に顕在化させた。

都心直結2分の時間価値

アットホーム 賃貸・駅ランキング 大阪府編(画像:アットホーム)
アットホーム 賃貸・駅ランキング 大阪府編(画像:アットホーム)

 JR大阪環状線の福島駅は大阪駅まで1駅、約2分という極端に短い移動時間で結ばれている。物理的に中心業務地区の一部として機能する距離だ。大阪難波駅へも約20分で到達でき、キタとミナミの両拠点へ短時間でアクセスできる。

 同駅の2024年度の1日平均乗車人員は2万8442人で、JR西日本の駅では26位の規模。1997(平成9)年のJR東西線・新福島駅開業により利用者が分散し一時減少したが、現在は再び増加傾向にある。前年度比2.4%増を記録しており、交通インフラとしての重要性が数字に裏付けられている。

 JR福島駅と新福島駅、阪神電鉄の福島駅が至近にありながら、運賃の通算制度がない不連続な状態も注目に値する。通常、交通網の分断は利便性を低下させる。しかし福島駅周辺では、この制度上の摩擦が歩行者の流れを生み出し、駅前の飲食店や居酒屋の活気を支える土台となった。

 利便性を阻害するはずの構造が、街の密度を高め需要を呼び込む要素に転じている。移動のしにくさが街の解像度を高め、人を滞留させる効果をもたらした形だろう。

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