日本の自動車税は「罰金」同然? 車に長く乗るとなぜ税金が高くなるのか JAFも激昂、官僚主導に決別を

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日本の自動車税は、増税という名の「罰金」であると筆者は指摘する。いったいなぜなのか?

JAFの衝撃的なSNS投稿

ガソリンスタンド(画像:写真AC)
ガソリンスタンド(画像:写真AC)

 いまだに多くの国民が、自動車税(地方税)は車が主に道路を使うのだから負担して当然、と思っているが、自動車税はすでに目的税(道路特定財源)ではない。2009(平成21)年の道路特定財源制度廃止以来、国や自治体が何にでも使える一般財源である。

 もちろん重量税もそうだ。ガソリン税も一般財源だ。つまるところ、不景気と人口減少により財源の厳しい国や自治体の

「便利なお財布」

になってしまっている。

 これに関して衝撃的なSNSの投稿をしたのがわれらの味方、天下の日本自動車連盟(JAF)で、

「自動車税を含めガソリン税・消費税などで乗用車には毎年約11.57万円の税金が課せられています。生活必需品なのに、こんなにかかるなんて、こんなの過重で負担過ぎます。補助金ではなく、抜本的な見直しを」

とストレートな発信を展開した。

「Hナンバーがある国みたいにしろとは言わないけど、取り過ぎなんですよ」

 Hナンバーとはドイツの自動車税の制度で、製造から30年以上たった車は条件を満たせば工業製品の文化遺産に認定され、自動車税や車検代などが優遇される。イギリスにも同様の制度があり、こちらは1973年以前の車は税金が免除される。ポルシェ911(901型)も、ジャガーEもアストンマーチンdb5も国の大切な文化遺産として守られる。そして、それを守るユーザーは優遇される。

「日本ではトヨタ2000GTだって罰金だからね」

 オーナーたちは力なく笑うが、自動車文化の違いなのか日本は守られないどころかトヨタ2000GTすら罰金を喰(く)らう。マツダのコスモスポーツもいすゞ117 クーペも日産スカイラインC10系も罰金対象だ。

 そこまでのクラシックカーでなくとも、マツダのユーノスロードスターやスバルのアルシオーネ(VX含む)、日産レパードなどの1980年代から1990年代を駆け抜けた名車も所有者は古い車を大切に所有しているだけで、あらゆる製造から13年、および18年を経た車には罰金が科せられる。この国は技術者が、現場の工員たちが作り上げた日本の誇りを大切に乗っていただけで税金を課す。

 JAFは先のSNSと同様、

「新規新車登録から13年経過すると重い税率が課されます(対象:自動車税や自動車重量税)。SDGs(持続可能な開発目標)てよく聞きますけど、まだ持続可能な車を所有しづらくする税制ってどうなんでしょう? 長く大切に使うってエコじゃないんですか」

と発信しているが、その問いかけはもっともである。

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