「赤ちゃんが乗っています」を見ると、なぜ身構えてしまうのか――「だから何?」「どうすればいいの?」 SNSでも賛否、公道における心理的な摩擦の正体とは
公道に掲げられる「赤ちゃんが乗っています」というステッカー。2015年調査では働く女性の55.9%が不要と答え、個人の配慮を公共に持ち込む摩擦の現状を示す。道路上の私生活と安全の境界は揺らぎ続けている。
公道に現れた私生活

公道を走ると、前の車のリアガラスに「赤ちゃんが乗っています」というステッカーを目にすることは珍しくない。ただ、この小さな表示はネット上でしばしば議論を呼ぶ。「子どもがいるからといって、周囲に何を求めているのか」「安全運転はもともと義務ではないか」といった声が飛び交うのだ。
少し前の2015(平成27)年の調査(対象:働く女性)では、この表示を必要と「感じない」と答えた人が「55.9%」に達し、肯定派を上回った。「感じない」派の声を見ると、
・「いなくても運転には気をつけるので」
・「少し気をつけないととは思うが、基本気をつけて運転はしているので、あまりなんとも思わない」
・「赤ちゃんがいるんだな、とは思うけれど、特に何か配慮する必要があるかな? と思う」
・「それ貼ってどうしてほしいの? 何主張してんの?」
・「だから何!?としか思いません。赤ちゃんがそれ程特別な存在ではありません」
・「だからどうした? どうしろと言っているのか? わからないと思ってしまう」
など、表示の意味がわからず戸惑う声や苛立ちを隠さない回答が並ぶ。ドライバーの半数以上が、その存在に疑問を抱いているのだ。
では、なぜこれほど感情を逆なでし、摩擦を生むのか――その背景には、道路という公共の場に個人の私生活が持ち込まれることへの根深い抵抗がある。