「EVはオワコンです」 無邪気に喜ぶネット民と、自動車トップの間に横たわる「深すぎる認識の溝」

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日本車の牙城は揺らぐ。10万人規模の調査でネット上の過激発言は高齢者層が中心と示される一方、東南アジアでは中国車が前年比最大14%伸長。伝統と安心に頼る余裕は失われつつある。

変化を受け入れる姿勢

日本車市場の現状と課題。
日本車市場の現状と課題。

 日本車が勝った――という物語は耳に心地よい。しかし、その心地よさに浸っている時間はもうない。中国メーカーは圧倒的な速さで変化し、日本が長年築いてきた壁を壊し始めている。これから直面するのは、まったく別の競争だ。

 生き残るには、過去の成功体験を捨てる必要がある。慣れ親しんだ車の形や仕組み、商売のやり方を根本から変えなければならない。日野と三菱ふそうの提携は、その苦しい決断の始まりを示している。伝統やこだわりを守る余裕は、今の日本メーカーには残されていない。

 車を愛するファンに求められるのは、メーカーの苦い改革を認め、支える姿勢だ。昔の面影がなくなったと嘆くのではなく、新しい姿で生き残ろうとする挑戦を後押ししてほしい。厳しい現実から目を逸らし、根拠のない勝利を信じ続けることは、日本車を追い詰めることになる。現実を直視し、変化を受け入れる。それこそが、日本車を本当に守る道だ。

 以前の記事でも触れたが、田中辰雄氏・浜屋敏氏の「10万人規模」の調査では、ネット上で目立つ過激な発言の多くは

「高齢者」

によるものだと示されている。これは自動車ファンに限定された現象ではなく、ネット全体の言論空間で見られる傾向だが、無視できない要素として意識しておくべきだ。

 日本はかつて、欧米ばかりに目を奪われ、アジアが持つ可能性を十分に見極めてこなかった。過去の価値観に固執せず、現実を見て変化を受け入れることが、これからの日本車を支える力になる。今、車に対する

「本物の愛情と誇り」

が試されている。

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