「EVはオワコンです」 無邪気に喜ぶネット民と、自動車トップの間に横たわる「深すぎる認識の溝」

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日本車の牙城は揺らぐ。10万人規模の調査でネット上の過激発言は高齢者層が中心と示される一方、東南アジアでは中国車が前年比最大14%伸長。伝統と安心に頼る余裕は失われつつある。

生き残りへの再編

日野と三菱ふそうの新持株会社の概要に関する会見(画像:日野自動車)
日野と三菱ふそうの新持株会社の概要に関する会見(画像:日野自動車)

 小木曽氏が危機感を強く訴える背景には、三菱ふそうとの経営統合があるだろう。2026年4月に発足する新会社「ARCHION」は、ダイムラートラックとトヨタがそれぞれ25%を保有し、日野と三菱ふそうを100%子会社とする。

 長年のライバルが手を組み、背後の巨大資本までが動いたこの動きは、前向きな進化の表れではない。統合しなければ競合に食い潰されるという、生存本能に基づく決断だ。

 国内の大型トラック市場で日野は約7割のシェアを握るが、電動化では2017年から量産を始めた三菱ふそうに後れを取っている。二社が合流しても、いすゞとUDトラックスの連合に規模で及ばない現実がある。この統合が追い詰められた者同士の共助であることを物語る。

 共通化という名の整理によって、こだわりを捨て、部品を削り、姿を変えてでも生き延びようとする現場の焦りは限界に達している。経営トップがここまでなりふり構わぬ変革を急ぐ状況で、ファンが「変わらなくていい」「今のままで勝てる」と期待を続けるのは、結果としてメーカーの足を引っ張る。過去のやり方に固執することは、敗北を受け入れるのと同義だろう。

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