「SLは仮の姿だった?」 実は“石灰石”などで4割稼ぐ異色鉄道―― 創業127年の上場企業とは

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秩父鉄道は鉄道収入の約4割を貨物が占める一方、SL運行や山頂レストハウス刷新で観光集客も強化。上場企業としての財務基盤と100年以上の歴史を背景に、沿線の新たな収益開拓に挑む地方私鉄の実力が本格化しつつある。

ジャスダック上場の意外性

秩父鉄道の鉱石輸送列車(画像:秩父鉄道)
秩父鉄道の鉱石輸送列車(画像:秩父鉄道)

 秩父鉄道の筆頭株主は、秩父セメントの流れを汲む太平洋セメントである。ただし、公式サイトによると保有比率は33.52%で、大株主ではあるものの100%子会社ではない。

 注目すべきは、秩父鉄道が上場企業である点だ。大手私鉄や都市近郊の中堅私鉄を除けば、上場している鉄道会社は珍しい。かつては伊豆急行や箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道なども上場していたが、現在は完全子会社化や上場廃止などで姿を消している。2026年1月時点で、大手私鉄や都市近郊の中堅私鉄を除けば、上場している鉄道会社は秩父鉄道、富士急行、広島電鉄のみだ。

 秩父鉄道が上場している株式市場は、かつての東証二部とジャスダックスタンダードを統合した

「東証スタンダード」

である。2022年の東証スタンダード発足以前は、鉄道会社として唯一ジャスダックスタンダードに上場していた。ジャスダックは新興企業向けの市場という印象が強い。

 一方、筆頭株主の太平洋セメントは東証プライム上場で、2025年3月期の連結売上高は8000億円超と、セメント業界最大手である。

 秩父鉄道は、こうした安定した大株主のバックボーンを持ち、創業から100年以上の歴史を持つ企業でありながら、鉄道という伝統的事業でありつつ、新興企業向け市場に上場していたという点で独自性がある。

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