海外で普及する「キャップレス給油口」、果たして日本で根付くのか? その障壁とは何か
セルフ給油が一般化する日本市場で、キャップレス給油口の普及は限定的だ。北米・欧州では年率4~7%成長、2033年には23億ドル市場に達する見込みで、利便性とVOC削減効果が注目される。
世界市場での採用拡大

世界市場ではキャップレス給油口の採用が拡大している。日本国内では普及率が限定的だが、海外では台頭が顕著だ。
複数の市場調査によると、自動車用キャップレス給油システム市場は2025年から2032年にかけて年平均成長率4%~7%で推移すると予測される。2024年時点で市場規模は約10億~21億ドルとされ、2032年から2033年には約15億~23億ドル規模に成長する見込みだ。
地域別では北米が最大市場で、全体の約35%のシェアを占める。北米では早期からセルフ給油が普及していたことが背景にある。欧州は約30%のシェアを維持し、ドイツやフランスなど主要国での環境規制の厳格化が採用を後押ししている。アジア太平洋では中国やインドを中心に市場が拡大しており、全体の約25%を占める。
成長の背景には各国での排ガス規制強化や環境意識の高まりがある。キャップレス給油口は燃料蒸発ガスの削減にも寄与するため、環境政策との整合性が高い。また、消費者の利便性向上も市場拡大の要因となっている。