「乗れない京都」の現実! 満員バスが暴く都市混雑――商議所「LRT提言」も財政と渋滞の壁

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京都商工会議所がLRT(次世代型路面電車)の導入を京都市へ提言することを決めた。JR京都駅(下京区)と有名観光地を結ぶ市バスが混雑し、市民が乗れない状況を解消するのが目的。検討委員会を設置して調査のうえ、議論を急ぐ構えだ。

18年前の社会実験は導入反対が多数

京都駅烏丸口を出発する市バス(画像:高田泰)
京都駅烏丸口を出発する市バス(画像:高田泰)

 市は過去にLRT導入を検討したことがある。1999(平成11)年に設立された民間の今出川通に路面電車を走らせる実行委員会がシンポジウムや勉強会など地道な活動を続け、市に復活を要請したことがきっかけだ。

 市が2005年に公表した報告書では、京都駅から東山区、左京区を北上し、叡山電鉄元田中駅(左京区)に至る東大路線元田中ルートなど10路線を調査し、うち5路線を単年度収支、資金収支とも黒字転換可能と判断した。特に東大路線元田中ルートは輸送密度(1km当たりの1日平均輸送人員)1万8000人と見積もられている。

 2007年には北野白梅町(北区)から出町柳(左京区)を結ぶ今出川通4.1kmで市バスをLRTに見立てて運行させる社会実験があった。しかし、約3時間の実験中、

「最大320m程度の渋滞」

が連続発生している。実験後のアンケート調査では、

・沿線住民:50.2%
・商業者:71.6%

が導入に慎重な声を上げた。反対理由は

「これ以上車線が減れば、渋滞が深刻化する」
「道幅の狭い京都には不適当」

など渋滞に対する不安が強かった。結局、市の財政難もあり、実現していない。

 市は商議所から正式に提言が出れば、検討することになる。導入が実現すれば市民の移動の足が確保できるが、建設費の高騰が続くなか、過去のデータを参考にできない。慢性的な交通渋滞に不満を持つ市民から幅広い賛成を得るのも大変だ。市は難しい選択を迫られそうだ。

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