「乗れない京都」の現実! 満員バスが暴く都市混雑――商議所「LRT提言」も財政と渋滞の壁

キーワード :
, , ,
京都商工会議所がLRT(次世代型路面電車)の導入を京都市へ提言することを決めた。JR京都駅(下京区)と有名観光地を結ぶ市バスが混雑し、市民が乗れない状況を解消するのが目的。検討委員会を設置して調査のうえ、議論を急ぐ構えだ。

市財政のひっ迫

宇都宮LRT(画像:写真AC)
宇都宮LRT(画像:写真AC)

 市の財政も問題になる。市は2020年、深刻な財政危機が表面化した。市営地下鉄東西線の赤字で約970億円の市債を発行したほか、鉄道高架化、梅小路公園整備など大型投資が続いたためだ。市の貯金に当たる財政調整基金だけでなく、将来の借金返済に充てる公債償還基金まで取り崩し、財政再生団体への転落が危惧される事態に陥った。

 事業見直しや経費節減に努めた結果、2022年度から3年連続で黒字決算を続け、市債発行残高も2024年度末で1兆2700億円まで減ったが、松井孝司市長は

「ようやく他の政令指定都市並みの財政状況に追いつきつつある段階」

と慎重姿勢を崩さない。

 市は税収を期待できない寺社や大学生が多く、同規模の他都市に比べて財政力が弱い。そのうえ、高齢化の進行で社会保障費は増え続ける。人口減による税収減も避けられそうにない。LRT整備費は栃木県の宇都宮LRTで1km当たり47億円。気楽に支出できる額ではない。

全てのコメントを見る