「鉄道+郵便局」のDNA覚醒? JR東日本×日本郵便、両者の融合は“歴史回帰”なのか

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郵便局業務と駅窓口業務の一体運営から始まった日本郵政とJR東日本の共創は、全国5駅で展開。1日50人前後の小駅でも有人化復活を実現し、物流・商流・再開発への拡張が進む新たな地域戦略である。

歴史的に近しい双方

かつては全国で見られた郵便列車。のと鉄道能登中島駅(画像:写真AC)
かつては全国で見られた郵便列車。のと鉄道能登中島駅(画像:写真AC)

 駅と郵便局の一体運営と聞くと、一定以上の年齢層には違和感を覚える人もいるだろう。今となっては“歴史的事実”となったが、JRの前身である国鉄と、日本郵便の前身である郵政省は、極めて近しい関係にあった。

 詳細は割愛するが、かつて郵政省内に鉄道郵便局が存在した(1986年廃止)。いわゆる郵便列車も運行されていた。旧国鉄では、貨物輸送とは別に、旅客列車に併設して新聞や雑誌、郵便物の輸送も行っていたのである。

 しかし高度成長期以降、さまざまな事情で鉄道による郵便輸送は減少した。郵便の輸送という点では、昭和時代に比べ、鉄道と郵便局はやや縁遠い存在となった。

 今回の窓口業務の一体運営は、かつての郵便輸送とは別次元の取り組みである。それでも、かつて近しい存在だった双方が、時代を超え再び接近し始めた印象を与える。

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