トヨタの1.5億台「SDV戦略」、既販車が金脈に? 68%の壁とユーザーの不信感──課金ビジネスの深いジレンマとは?

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かつての自動車は「売り切り型」のプロダクトで、販売台数が利益の源泉だった。しかし、現在はSDVによる継続課金モデルへと収益構造が転換しつつある。トヨタは1.5億台の既販車を対象に機能追加型サービスを全国展開し、収益拡大を狙う。

SDV普及阻む体験障壁

 S&Pグローバルモビリティの調査によると、課金サービスを「利用していない」と回答した割合は、前年比で5ポイント増加した。主な要因は、利用料金の高さにある。ただし、スマートフォンとの機能重複も無視できない。

 例えばナビゲーションや音楽ストリーミングは、スマートフォンを車載システムに接続すれば問題なく使える。こうした機能に、あらためて車側で追加料金を支払う必要性を感じないユーザーが多い。

 さらに、利用頻度の低い機能に定額料金を払うことに価値を見出せないという声もある。車両購入時にすでに搭載されている機能に対して、あらためて課金が求められる構造が費用対効果への疑問を生んでいる。

 一方、直近2~3年で、ほぼすべての有料サービスにおいて顧客満足度が低下している。比較的評価が高いのはナビゲーションやパーソナライゼーション、インフォテインメントなどだ。反対に、安全・セキュリティ関連のサービスは、満足度が特に低い傾向にある。

 加えて、SDV課金モデルが“体験前提”となっている点も課題だ。無料体験後に自動課金へ移行する仕組みや、ディーラー経由での煩雑なアクティベーション作業などが、ユーザーにストレスを与えている。これにより、利用継続率は低下し、有料機能への移行も伸び悩んでいる。

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