「足立ナンバー」はなぜ避けられるのか? マツコも呆れ顏! ご当地ナンバーが煽る分断意識──江戸川区「7割賛成」の裏に潜むものとは

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マツコ・デラックスが皮肉を込めて指摘した「ナンバーは記号に過ぎない」という言葉の裏側には、東京の都市経済を反映する現実がある。2025年導入の江戸川ナンバーをはじめ、ご当地ナンバーの普及は、地価や所得格差、治安、教育水準といったデータに裏打ちされた地域選別の象徴となった。特に足立ナンバーの忌避は、住民の生活環境や資産価値に直結する社会的現象であり、ナンバープレートは単なる移動手段を超えた身分表示の役割を果たしている。

江戸川区7割の賛成率」

ナンバープレート(画像:写真AC)
ナンバープレート(画像:写真AC)

「江戸川もそうですよ。なんのプライド? 足立ナンバーが嫌なの? 一緒だよ! ってなるじゃないですか。江東ナンバーもできたからね。あれも豊洲とか住んでいる輩が『なんであたしたちが足立区なんかつけないといけないんですか、ざます』っていい出したわけでしょ?」(『デイリースポーツ』2025年5月20日付け)

 ご当地ナンバーを導入するときは、地元の住民から賛成か反対かが問われる。江戸川区の場合、2022年のアンケートで7割が賛成している。これは非常に高い割合だ。ただの地域愛だけでは、これほどの支持は得られない。

 その背景には「足立ナンバーのままでは困る」という住民の思いがあると考えられる。都市に住む人たちは、住宅を選ぶときに地名やナンバーで示される「周囲の評価」や「イメージ」を重視する。

 足立区は犯罪発生率など、いくつかの統計で他の区よりも悪い「イメージ」がある。あくまでもイメージだ。それがナンバーを通じて他の区にも広がることに不満を持つ構造だ。

 例えば豊洲(江東区)や葛西(江戸川区)などの新しい住宅地では、平均世帯収入や新築住宅の価格が明らかに高い。住んでいる人たちは、よりよい生活水準や教育環境を求めて引っ越してきている。そうした人たちにとって、足立ナンバーは自分のイメージに合わない記号であり、できれば避けたいと考える。これは感情だけでなく、経済的に合理的な判断だ。

 つまり、車という移動手段が「見られる」「識別される」価値を持つ社会では、ナンバーのような小さな要素も身分や階層を分ける道具になる。

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