中国EV爆進を支える「日本の血税」 補助金は誰のために存在するのか? 迫る産業空洞化と国家戦略の欠陥とは
日本のEV補助金政策が引き起こす波紋は、単なる国籍論争にとどまらず、製造業の競争力や経済戦略に深く関わる問題となっている。中国製EVが補助金を受ける現状に対し、政策の構造的矛盾が浮き彫りに。日本は今、どのような産業の未来を選択するのか。
戦略的選択を迫られる日本

これに対して
「市場原理に委ねるべき」
「良い製品が売れるのは当然」
といった声もあろう。しかし、その市場原理が国家主導で歪められているのが今のグローバルEV市場の実態だ。自国産業に戦略的後押しを与えるために国家が積極介入する――これはもはや米中のみならず、ドイツやフランスでも常態化している。
ならば日本はどこに立つべきか。選択肢はふたつだ。ひとつは、現行の制度設計を維持し、「最も優れた商品が勝つ」というグローバル市場の潮流に自国産業も適応させるという選択。もうひとつは、戦略的に補助金の枠組みを再構築し、自国内での付加価値創出を最大化する仕組みに変えていくこと。
問われているのは「中国製品に補助金を与えるか否か」ではなく、
「補助金という制度を通じて、自国に何を残すのか」
である。もしそこに明確な戦略が欠けているのであれば、いかに制度が精緻に設計されていても、それは単なる他国への支援金に成り下がる。国家が負担する補助金が、他国メーカーの市場獲得に寄与する構造にある限り、日本の産業は加速度的に空洞化する。これは憂慮ではなく、すでに始まっている現実である。