日本の「高速道路」はなぜすぐ止まるのか? 21年「1700台立ち往生」の悪夢ふたたび? 利用者8割「不満」 予防的通行止めの裏側、海外とどう違う?

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台風や大雪による予防的通行止めは、高速道路の安全を守るための重要な対策だが、実施タイミングや効果に疑問の声も上がっている。2025年の例では、通行止めが早すぎたとの不満があり、対策の精度向上が求められている。

台風前の通行止めに対する疑念

利用者からの不満(画像:写真AC)
利用者からの不満(画像:写真AC)

 予防的通行止めの実施により、高速道路が利用できなくなると、利用者は運転を中止するか、

・代替ルート
・迂回ルート

を選択することになる。しかし、急に運転を控えるのは、事情や状況によっては難しい場合もある。実際、2025年3月に実施された首都高や東名高速の予防的通行止めに関するアンケートによると、

「約8割」

の人々が移動を続けたと回答している。

 高速道路が利用できなくなると、利用者は一般道や鉄道など他の交通手段を使うことになる。普段からそれらを利用している人も多いため、一般道では大渋滞、鉄道では超満員が発生することになる。仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)も、首都高中央環状線が予防的通行止めになった際、並行する山手通りを使ったが、大渋滞により通常の3倍の時間を費やしたことがある。そのときの体力的・精神的負担は非常に大きかったことを今でも覚えている。

 予防的通行止めが実施されると、他の交通機関にも影響が出るのは避けられないため、利用者からは不満の声が上がることになる。

 国土交通省やNEXCOは、リスクを回避するために、台風や大雪の予報が出ると早期に通行止めを実施する。しかし、実際に台風や大雪の規模が小さかった場合、予防的通行止めが本当に必要だったのかという疑問が生じることがある。近年では、台風や大雪が本格的に始まる前に通行止めが実施されることが多く、その段階では天候状況を見た利用者が

「まだ通行止めにするほどじゃない」

と感じることもある。このため、予防的通行止めの理由や実施の必要性を、しっかりと利用者に伝えることが重要である。

 また、予防的通行止めのアナウンスについても問題がある。テレビやメディアを通じてアナウンスされるが、タイミングや頻度が不足していると、利用者が予防的通行止めに対して対応が遅れる、またはできない場合がある。利用者が混乱しないよう、アナウンスの回数を増やし、早期に通知することが求められる。また、利用者自身も予防的通行止めのアナウンスに敏感に反応することが必要だ。

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