「ヘッドライト論争」ついに終止符? LED vs HID、あなたはどちら派? LED23年普及率70%超え! 明るさ、寿命、コスト…今後を考える
夜間走行の安全性を左右するヘッドライト。近年、主流となったLEDとHIDは、それぞれ異なる特性を持ち、ドライバーの間で議論が絶えない。LEDは明るさ・省エネ・長寿命で急速に市場を席巻する一方、HIDは独特の光の質感やコスト面で根強い支持を集める。技術革新が進む中、ドライバーは何を基準に選ぶべきか。本稿では、両者の特性と市場動向を分析し、その選択のカギを探る。
LEDヘッドライトの台頭理由

LEDは、電流を半導体素子に流すことで発光するデバイスだ。1990年代に青色LEDが開発されたことで白色光の生成が可能となり、照明分野に革命をもたらした。自動車のヘッドライトにおいても、その特性を活かし急速に普及が進んでいる。
LEDヘッドライトの最大の特徴は、
・HIDを凌駕する圧倒的な明るさ
・ハロゲンランプを大幅に上回る長寿命
だ。LEDは点灯後、瞬時に最大光量に達するため、夜間走行開始時やトンネル進入時など、即座に明るさが求められる状況で真価を発揮する。
さらに、大きなメリットとして消費電力の低さが挙げられる。LEDヘッドライトの消費電力は一般的に25~45W程度で、HIDヘッドライトの約35Wよりもやや低い。これにより、車両のバッテリー負担を軽減し、燃費向上にも貢献する。特にハイブリッド車や電気自動車のように、電力消費が走行性能に直結する車種では、LEDヘッドライトの省エネ性能が大きなアドバンテージとなる。
また、LEDヘッドライトの寿命は3万~5万時間と、HID(約3000~5000時間)やハロゲンランプ(約1000~2000時間)と比較して圧倒的に長い。この長寿命によりランプ交換の頻度が大幅に減少し、メンテナンスコストの削減にもつながるため、多くのユーザーから支持されている。
2023年のLEDヘッドライトの採用率は80%を超えるというデータもあり、明るさ・省エネ・長寿命という三拍子がそろったLEDは、まさに現代のニーズに合致した先進的な光源といえる。今後もその普及はさらに加速していくと考えられる。