路線バスの「後ろの席」が一段高くなっている根本理由

キーワード :
,
路線バスの後部段差は、単なる設計上の都合に留まらず、利便性と経済性を両立させるための戦略だった。現在、バス技術は進化し、電動化や自動運転の時代が迫る中で、段差の解消が現実味を帯びてきている。都市部と地方、ディーゼルと電動が交錯するなか、バスの未来に迫る。

後部段差の存在

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 都市の移動を支える路線バス。車内に乗り込んだとき、後方に向かう途中で突如現れる段差に違和感を覚えたことがある人は多いだろう。

 なぜバスの後部は階段のように盛り上がっているのか――これは単なる設計上の都合なのか、それとももっと深い理由があるのか。

 この疑問を解明するには、単なる車両設計の問題として見るのではなく、バスという移動手段がどのように進化してきたのか、そして都市の交通インフラや経済にどんな影響を与えてきたのかを考える必要がある。

 本稿では、バス後部の段差の理由を深く掘り下げ、路線バスが抱える技術的・経済的な課題に迫る。

全てのコメントを見る