EV、普通に運転すれば「バッテリー寿命」40%も延長! 米スタンフォード大学の研究で明らかに! 延命のカギとなる2つの要因とは?
EVのバッテリー寿命は充電回数よりも時間の経過に影響されるという新たな研究結果が明らかに。最新の実験では、普段使いによる運転がバッテリー寿命を最大38%延ばす可能性が示唆され、EVへの乗り換えを後押しする要因となる。加速や回生ブレーキも寿命延長に貢献し、バッテリー管理の最適化がさらなる進展を遂げる見込みだ。
寿命延長の意外な条件
米スタンフォード大学SLAC国立加速器研究所の研究チームが、2024年12月に「Nature Energy」で発表した研究によると、EVの現実環境での運転は、実験室でのシミュレーション結果よりもバッテリーの寿命を延ばすことが明らかになった。
バッテリーの品質テストでは通常、一定の間隔で充電と放電を繰り返し、性能低下や寿命を測定している。しかし、今回の研究ではこうしたテストが現実のバッテリー寿命を予測するには不十分であることが示された。現実環境での使用では、バッテリーの寿命は実験室でのテスト結果よりも長いというのだ。
郊外の空いた道路や高速道路をほとんど停車せずに走行する場合、バッテリー寿命は実験室でのテスト結果に近いと考えられる。一方で、街中での運転では、頻繁なストップ&ゴーや坂道の上下が発生する。
そこで研究チームは、実際の運転データをもとに4種類の運転プロファイルを設計し、市販のリチウムイオン電池92個を用いて2年以上にわたるテストを実施した。その結果、
・頻繁な加速と減速
・不規則な一時停車や駐車
などの挙動が多い運転プロファイルほど、バッテリー寿命が延びる傾向が確認された。