自動車「国内減産」は経済にどのくらいダメージを与えるのか? 10%ダウンで驚きの結果に
国内自動車生産の縮小を通じて、国内企業の生産を押し下げることが懸念されている。
自動車の「生産構造」とは

自動車産業の波及効果が大きい理由は、その生産構造を見ることで明らかになる。
産業連関表で乗用車の生産構造を見ると、100万円の「乗用車」を生産するために82.9万円の原材料が必要になるが、その内訳を見ると、
・自動車部品・付属品:39.6万円
・商業:5.3万円
・産業用電気機械:3.2万円
・非鉄金属加工製品:3.2万円
・プラスチック製品:2.7万円
・鋳鍛造品:2.1万円
等となる。
さらに、「自動車部品・同付属品」を起点とした波及効果は、これらの原材料である「鋼材」などの多種多様な部門にも及ぶ。
こうした波及経路が存在することが自動車産業の裾野の広さになっており、他の産業への影響力を高める要因となっている。
国内自動車10%減産で、年間GDP5.2兆円減

以上を踏まえ、ここでは自動車産業の国内生産が10%減少した場合の影響について試算してみた。
まず、2015年以降の経済成長率に対する国内乗用車生産の弾性値を計測すると、0.10となる。つまり、国内乗用車生産が1%変化すると、経済成長率が0.10%変化することになるため、国内乗用車生産が10%減少すると、経済成長率は1.0%押し下げられることになる。
しかし減産の影響は、経済成長率の低下を通じて国内の雇用も減少させることになる。こうした影響は、国内自動車生産が1%変化すると1年後の就業者数を0.007%変化させる関係があることから、結果的に国内自動車生産が10%単位で減産となると、国内の就業者数は0.07%減少につながることになる。
これらの結果を踏まえれば、国内乗用車生産の10%減少は年間の実質GDPを5.2兆円押し下げることになる。また、このような自動車産業の国内生産10%減少の影響は雇用にも及び、1年後に4.4万人の就業者数減と計算される。