トヨタEV生産「3割縮小」でも、シフト速度が落ちただけ そもそも「直系サプライヤー」は生き残れるか? という根本疑問

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EVシフトで自動車サプライヤーは激変。トヨタやホンダが直系サプライヤーとの関係見直し、デンソーがエンジン関連事業を売却。2023年7月にはホンダが70年の歴史を持つ八千代工業をインドのマザーサングループに譲渡。トヨタはEV生産を3割縮小し、150万台の生産体制を維持する計画。サプライヤーの運命はメーカー依存からの脱却が鍵に。

サプライヤー再編の潮流

八千代工業のウェブサイト(画像:八千代工業)
八千代工業のウェブサイト(画像:八千代工業)

 トヨタやホンダは、2023年から2024年にかけて直系サプライヤーとの関係を見直している。特にホンダが八千代工業(埼玉県狭山市)を売却したことは、業界に衝撃を与えた。

 ホンダは2023年7月に、連結子会社の八千代工業の株式をインドの自動車部品大手マザーサングループに譲渡することを発表した。八千代工業はホンダの直系サプライヤーとして70年近く、燃料タンクやサンルーフを手がけてきたが、燃料タンクはEVシフトによって需要が減少しつつある部品であるため、八千代工業を手放すことは業界関係者には予測できなかった。

 八千代工業は、燃料タンクの生産で培った樹脂部品技術を生かしてEV向けの部品事業を展開する見込みだが、競合他社が多い分野であるため、将来性は不透明である。なお、社名も10月から、マザーサンヤチヨ・オートモーティブシステムズとなる。

 一方、トヨタは直系サプライヤーであるデンソー、豊田自動織機、アイシンとの関係見直しを急いでいる。関係会社で持ち合っていた株式を放出することで、EVシフトに対応しようとしている。株式売却で得た資金は電動化技術や将来的な技術開発に投入する計画だが、日本のメーカーやサプライヤーは世界的なEVシフトに出遅れているとの意識が強く、迅速な開発が求められている。

 さらに、デンソーはスパークプラグや排ガスセンサーといったエンジン関連事業を他社へ売却する交渉を進めている。この事業は同社が60年近く手がけてきたもので、EVシフトの影響の大きさを物語っている。デンソーは今後もエンジン関連の事業売却を進め、一気に電動車用サプライヤーへと生まれ変わろうとしている。

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