免許センターがやたら「アクセスの悪い場所」にある根本理由
運転免許センターの設置場所は市街地から遠く、アクセスが悪いことが全国的な悩みとなっている。
鴻巣市の免許センターの例

今回はまず、埼玉県警運転免許センター(鴻巣市)について調べた。同センターは県央部に位置し、運転免許を持つ埼玉県民なら誰もが1度は訪れたことがある場所だ。
最寄りの鉄道駅はJR高崎線の鴻巣駅だ。鴻巣市民や近隣の熊谷市、行田市の人々ならいざしらず、川越市などの東武東上線沿線に住む人にとっては非常に不便な場所にある。
公式な交通案内は次のとおりだ。
・JR高崎線鴻巣駅から徒歩25分、バスで10分
・東武東上線の東松山駅からバスで40分
・JR埼京線川越駅からバスで約60分
高崎線沿線の住民以外には、アクセスの悪さが目立つ。埼玉県がこの地に免許センターを開設したのは1987(昭和62)年だ。当時の経緯は、埼玉県議会の議事録に次のように記されている。
「運転免許センター構想についてでありますが、「現在、運転免許試験については試験場、行政処分にともなう講習については、埼玉県安全運転学校、更新時講習は各種指定自動車教習所等で実施しているが、これらを運転免許センターに集中し、交通安全教育をより充実、推進してまいりたい。(中略)予定地については、鴻巣市にある国の農事試験場跡地を含め検討中である。」とのことであります」(埼玉県議会1987年9月定例会での臼田徳太郎県議による交通対策特別委員会の報告)
農事試験場は農林水産省が設置した施設で、1981年に筑波に移転した。この施設は、実際に田畑に作物を植えて試験を行うための広大な面積を持っていた。運転免許センターには事務手続きだけでなく、
「実地試験用のコース」
も必要だ。そのため、広い土地が求められ、交通の利便性よりも広大な用地の確保が優先されたのだ。