海底6000mでも壊れない! 飛行機の「ブラックボックス」はなぜあんなに頑丈なのか

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ブラックボックスは飛行機事故の原因解明に不可欠な装置で、衝撃3400G、火災1100度、水深6000mに耐える設計が施されている。リアルタイムでのデータ送信や記録容量の増加により、事故発生時の迅速な対応とデータ保護が可能になっている。最新技術の進歩により、安全性の向上が期待されている。

飛行記録に欠かせない装置

飛行機(画像:東京航空計器)
飛行機(画像:東京航空計器)

 飛行機事故が発生した際に、その原因を特定するために欠かせない装置のひとつが「ブラックボックス」だ。

 ブラックボックスは、飛行機に搭載されている

・フライトデータレコーダー(FDR)
・コックピットボイスレコーダー(CVR)

が搭載されたユニットを指す名称である。

 これらで記録されたデータは、事故の原因を解明するために非常に重要だ。例えば、エンジンの動作状況や機体の高度、速度、さらにはパイロットの会話などが記録され、大いに役立つ。

 ブラックボックスという名前の由来は、第2次世界大戦中の英国で、レーダーや電子航法装置などの秘密の装置が

「非反射性の黒い箱」

に収められていたことにある。

 その後、ブラックボックスは進化を続けてきた。1960年代にはデジタル技術の進歩により、デジタルフライトデータレコーダー(DFDR)が登場し、データの記録と解析が効率的になった。1980年代にはマイクロプロセッサーの導入により、航空機のシステムが本格的なデジタル化を迎え、記録容量が大幅に増加した。

 1990年代以降、航空業界は「科学的な情報を基により安全を追求しよう」という方向に進み、運航のモニタリングを国家レベルや世界レベルでの標準的な航空安全確保の手段として採用するようになった。

 本稿では、ブラックボックスの役割や設計技術、具体的な数値データ、そして実際の事故での役立ち方について解説し、その「破壊されない丈夫さ」についても紹介する。

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