EVの電費性能に「空力」はどの程度影響するのか? という根本疑問

キーワード :
EVの電費を改善するための重要な条件とは何か。速度、加減速、車両重量、タイヤの転がり抵抗、空気抵抗の五つの要素から考える。

タイヤ周辺の空力改善技術

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

 EVにはもうひとつ、空力性能上のメリットがある。それは、駆動装置がシンプルなため、ボディ下面をフラットに設計しやすいことだ。

 一般的に、走行中に発生するボディ下面の空気の流れを整えることは、ボディ上面と同じくらい重要である。レーシングカーのような内燃機関モデルでは当たり前のように行われているが、量産モデルではメンテナンスやコストの問題から難しい。

 これに対し、最新のEVプラットホームでは、薄型バッテリーをフロアに並べて収納することで、内外フラットな床を実現している。これは空力性能の観点からも非常に有利である。

 最後に、最新のEV関連の空力設計に取り入れられ始めている新技術について触れておきたい。タイヤとその周辺の空気の流れを調整する方法である。

 ボディとは異なり、タイヤ周辺はホイールアーチを覆うスカートで空力処理されているにすぎないのが現状だ。しかし、走行中のタイヤの動的シミュレーションによってタイヤ自体の空力性能を高めることができれば、前述の回転にともなう摩擦抵抗の低減と合わせて、空力特性の大幅な向上が期待できる新技術である。

 住友ゴム工業は2024年2月7日、タイヤ自体の空力シミュレーション解析技術の開発に成功したと発表した。この技術は近い将来、他社にも広がっていくだろう。空力性能に優れたEVタイヤが市販される日もそう遠くはない。

全てのコメントを見る