EVの電費性能に「空力」はどの程度影響するのか? という根本疑問

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EVの電費を改善するための重要な条件とは何か。速度、加減速、車両重量、タイヤの転がり抵抗、空気抵抗の五つの要素から考える。

空気抵抗の影響とEVの利点

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

「車両重量」について、EVは基本的に内燃機関モデルよりも重く、デメリットになることが多い。「タイヤの転がり抵抗」については、加減速時のトルクが大きいEVはタイヤへの負担が大きく、専用設計のタイヤが必要になるケースが多い。つまり、走行抵抗の少ない省エネタイヤへの交換は基本的に勧められない。

 最後に「空気抵抗」との関係である。クルマの形をしている限り、EVも内燃機関モデルも大差はない。空気抵抗が少ないほうが、電費の面では効果的である。しかし、クルマそのものの細部に目を向けると、内燃機関モデルとEVの違いが垣間見える。

 具体的には、内燃機関モデルはエンジンを冷却するためのラジエーター、冷却風を導くためのインテーク、そしてそれを排出するためのアウトレットが必要となる。

 EVも駆動モーターやバッテリーを冷却する必要があるが、内燃機関に比べればはるかにコンパクトでシンプルなシステムで完結できる。そのため、ほとんどのEVには内燃機関モデルのような大きなラジエーターグリルがない。

 実際、クルマの空力性能で最も重要なのは、ボディの開口部をできるだけ小さくすること、できればなくすことだ。同様に、ボディパーツの取り付け部の隙間や段差も、空力的にはマイナス要因だ。最高速度に挑戦する、いわゆるレコードブレーカーの表面が滑らかで、段差がほとんどないのはこのためだ。

 電費の改善に直結する諸条件を詳しく見ていくと、現在のEVのデザインが理解できる。ボディのシルエットに凹凸が少ない。フロント部分の開口部が極端に小さい。これらは単なるデザイン上の問題ではなく、性能を確保するために導入されたものだったということである。

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